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おいしいはちみつをいただくためには、ミツバチに愛情を注ぎ大切に育てなければなりません。
うまく飼育してはじめて、嬉しいご褒美(はちみつ)をプレゼントしてくれます。
天然のはちみつがどのように出来るか、あまり知らない方も多いのではないでしょうか?
当園での蜂の1年を簡単に紹介させていただきます。
12月〜2月上旬
ミツバチの越冬期です。
夏季には最盛期だったミツバチも、数が減り巣枠5〜6枚分に減ります。残ったハチの群れだけでじっと春を待ちます。晴れた暖かい日に限り、働き蜂は外に出て密集めをしたりします。
人間のしてあげる事は、冬囲いを施し巣門を狭くし保温してあげることです。
それでも春の訪れまでミツバチの群れはかなり減ってしまいます。
2月下旬〜3月
2月下旬、ミツバチの活動が始まります。
巣枠で3〜4枚に減ってしまったコロニーも、女王が産卵を始め増える時期に入ります。
春の訪れとともに、当園の周囲では多くの菜の花が咲き始め、働き蜂はしきりに花粉と蜜を集め子育ての季節が到来します。
4月
1枚の巣脾枠で2000匹のハチが居るといわれます。
我々はこれを巣箱いっぱい(8〜9枚)までに育つ手助けをしてあげます。
巣箱いっぱいになった蜂群を満群といいますが、4月中ごろまでにこの状態に育て上げます。
満群になったら巣箱の上にもう1段巣箱(継箱)を載せてあげます。通常この上の段に働き蜂が貯めたはちみつを採取します。
5月
継箱内の巣脾枠には、上部のほうから働き蜂がはちみつを蓄え始めます。キラキラ光ってとても綺麗です。
働き蜂は、花からとってきた蜜(ショ糖)を体内でブドウ糖と果糖に分解し、様々な成分を混ぜ水分を飛ばしはちみつとして蓄えます。
はちみつの質と量は、ハチの頑張りも大事ですがやはりその年の気候に左右されます。お花が咲いていなければはちみつは貯まりません。こればかりは人間の及ばないところです。
6月初め
満群の状態の継箱には、1ヶ月半程ではちみつがたくさん貯まります。
働き蜂が濃縮し完成したはちみつは、ミツロウで蓋(蜜蓋)がされます。
この蜜蓋がされたはちみつは、地球上で唯一の腐敗しない食品だそうです。
ミツバチのちからってすごいですね。
当園ではこの蓋がされたはちみつを搾ります。
じっくりと待ってから搾るため、いろんな花の蜜がブレンドされた百花蜜となります。
■この時期の蜂蜜を「春のはちみつ」として販売します。
6月〜8月中旬
搾った後のミツバチ達に、秋までにもうひと仕事お願いします。
季節は梅雨から夏へ、そして真夏日から猛暑、ハチの活動も鈍ります。
真夏は女王蜂の産卵も減り、巣箱全体の勢いも減ってきます。
この時期は暑さ対策として、巣箱には日陰を作ってあげます。
4月5月に比べ蜜の貯まるペースは遅く、じっくりと蓄えられてゆきます。
鷲宮では今のところ、春とは全く異なる風味の蜂蜜になります。
8月下旬〜9月初め
この時期に2回目の採蜜を行います。
暑さのなか継箱いっぱいに貯められた蓋つき完成はちみつを、ミツバチに感謝しながら搾ります。
もちろん調子が悪く、良質なはちみつが貯まらなかった群は搾れません。
■この時期の蜂蜜を「秋のはちみつ」として販売します。
9月〜10月
採蜜のあとの重要な期間です。
ハチ達に越冬の準備をさせてあげます。
人間が搾ってしまったはちみつですが、ミツバチにも越冬のための蜂蜜が必要です。
秋の花々だけでは不十分なことも多く、砂糖水なども与えます。
当園の周囲では、蜜源植物として蕎麦やセイタカアワダチソウが多いようです。
川岸に植えられたたくさんのコスモスも花粉源として役立っております。
週に一度は巣の中を確認し、調整していきます。
またこの時期の脅威はスズメバチ。
対処しないとミツバチの巣が全滅することもあります。
スズメバチの来襲は養蜂家にとって大きな悩みの種となります。もちろん人間が刺されても危険です。
ミツバチの巣があるところには、スズメバチが必ずよって来ます。秋のミツバチの巣には近付かないことも大切です。
11月
気温も下がり、越冬前の本格的な準備を開始します。
巣箱内部の保温のため風除けの覆いをかけ、巣門を狭くします。
最後の巣の確認もこの時期行い、蜂の数に応じて巣枠の数の調整をします。
ミツバチは密集して体温を使い冬の寒さに耐えるので、密集しやすいように巣箱の内部空間を人間が調整してあげます。
十分な貯蜜の確認をしたら、越冬用の最後の給餌(砂糖水)をして来春までそっと見守ります。
うまく越冬してくれれば春には元気な群となり、私たちに美味しいはちみつを提供してくれます。
このように1年中、ミツバチに愛情を注いで採蜜したものが当園のはちみつです。
皆様にやさしい自然の味をお届けできるよう、無理はせずまたミツバチにも無理はさせず、楽しみながら養蜂を営んでおります。
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